PCL86ってこんなに気持ち良い音がしたのか、不覚であった

諸般の事情により、夏場は真空管アンプを使っている*1ワタクシです。
今月はちょいと気合を入れてアンプを新調、といっても自作なので手間賃以外のコストは安いし*2別の意味でも満足度は高い。
音の良し悪しのような主観でしか無い事柄での優劣を語るのは美食のそれと同じで賎しい感じだし、ある程度の水準から先は好みや目先の新奇さこそが重要で、むしろ新しい環境で音楽を聞くことに再び出会う感動の方が大きいのですな。尊ぶべきは、その優劣じゃなくって、どう感じたかって事だと思います。
アンプ/オーディオセット毎に音は異なるのだけれども、それに優劣付けたりするよりも、それを通じて新鮮な気持ちで音楽が聞けるのが実に楽しいわけで、こちらがワタクシの目的にかなっております。
新しいアンプなんか作った日には、これでこの曲聴いたらどう聴こえるのか楽しくて楽しくてって…気がついたら夜中の3時にマーラー*3聴いてたりね。
今回のアンプで聞いて感動を再発見したのは、愛らしい『げっ歯類』ミック・ジョーンズ率いる"Big Audio Dynamite"の1stアルバム。

This Is Big Audio Dynamite

This Is Big Audio Dynamite

文脈的にはポストパンク〜レゲエの流れなんだけれども、そのどちら側にも偏らない唯一無二のB.A.D.節がたまりません。リズムもそうだけれども、ミック・ジョーンズのニヤケた声には独特の心地よい浸透力があって朝から酒飲んじゃってもいいかなぁって気分はもうダメな大人です。このアルバムを初めて聴いたのはもう20年も前なんだけど、相変わらず大好きなのは、このダメ大人感なんだなと改めて確認いたしました。

*1:ワタクシんちの半導体アンプは信じがたい高熱を発するので有名なアレだ

*2:真空管を入れて2万5千円くらいかな

*3:最近、このあたり、プレ現代の辺りを聴いてます