何故にデジタルアンプなのか

なんでこんなことをはじめたかというと、久しぶりにスピーカーで聞いてみたいなと思ったときに、以前所有していたONKYO製のミニコンポFR7(出力段がTRデスクリートであるのでAKGインピーダンス300Ωという馬鹿げたモニタも平気で鳴らせた兵)を既に捨てていた事を思い出したのだ。
一応、スピーカーはそれなりにまともなものを持っているので、ここは真空管アンプでも作ってみるかと思ったのだが、いかにも大人の趣味、最近、別の意味を持ち始めたナニ風で面白くないなぁ、それにワシ真空管アンプで偶数倍音が強調されて嬉しいソースって聞かないじゃん。
判っている人は判っているのだが、所謂ピュアオーディオ(ワタクシの場合はプアオーディオ)は、決して原音再現だけの道ではない。人によっては、絶対に原音にはならないのだからオーディオに凝ることは無駄というご意見もあるが、オーディオに期待するのは楽器としてのオーディオ機器なんですな。アンプやスピーカー特有の歪みも音色のひとつとして音楽の気持ちよさをより大きくしてくれるものなのだ。
一方には、原音に忠実であるべきサウンドモニタリングの為の機材があって、これらは実は意外と安い。モニタ用スピーカーであるYAMAHAのNS-10Mとか、同じくヘッドフォンのSONY MDR-CD900STなんか笑っちゃうくらい安い。
もう一方に気持ちいい音を出す楽器的な機器があって、こちらはピンキリ。一般的にオーディオ趣味と称して地下室を作ったりするのはこちらの方面を追求される方々ですな。
実はワタクシは後者の血を若干持っていたりもするが、日ごろ聴いている音楽が元から一度も空気に触れずに製造されたテクノだったり、ピアノ曲だったり現代音楽だったりナニであったり、でもJazz、それもフリージャズは聴かないなぁ…ここで生じゃないとと一言言うといやな大人でよいかとも思うけど。
というわけで、真空管アンプの得意とされる分野より、どちらかというとこういう波形なんでその通りスピーカー動かしますというデジタルアンプは正しい選択だったかも。